パキスタン北部東側に位置する古い地名です。そこは、標高7000メートルを超える山間の谷の向こう側。今から800年ほど前の、まだパキスタンが国として成立する以前の時代、この地域を一人の王が支配し、その地帯をフンザと称しておりました。王は山の頂に城を築き、それをBaltit Fort(バルティットフォート)と名付けました。

 

春になると、アーモンド・杏・桜・桃・林檎などの花々が次々と谷一面を桃色に染める様子が”桃源郷”と称され、その美しさは日本人を含め多くの外国人客を魅了し、一大観光地としても人気を集めています。

 

 

 

 

 

 

 

フンザ産アプリコット

 

フンザは、あんずの里としても大変有名で、各家々には必ずと言っていいほど、あんずの木があります。

あんずの実はそのままでは保存が効かないので、十分に乾燥させてから、食事やお茶請けにします。

またあんずの種も、実と一緒に乾燥させ食します。種は、アーモンドやクルミなどのナッツ類に似た味ですが、日本人の方には中華の杏仁豆腐の杏仁といえばお分かりになる方もいるんじゃないでしょうか。

それからあんずの種はオイルにもなるんですよ。町のバザール(市場)では、持参した種を石臼の様なもので曳いてアプリコットオイルを抽出してくれるお店があります。出来た油は、食用油やボディーオイル、ヘアーオイル等として生活の様々なシーンで活躍してくれます。その昔、電気の無い時代にはランプの燃料にもなりました。また凍てつく寒さに覆われる冬のフンザでは、貴重な栄養源にもなります。フンザの人々は、そんなあんずを心から愛しています。

 

下の写真は、我が家の庭に毎年なるあんずの木々です。6月になると、朝から家族総出で連日収穫してはその実を開いて干す作業を、日暮れまで行っています。写真にはありませんが、未熟なあんずは実の色が緑色で、それもまた酸味が多く美味しい事で知られています。ヨーグルトに加えてミキサーで攪拌すれば、スパイシーなカレーによく合う素晴らしいソースにもなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

フンザ川

 

インダス川は、言わずと知れた世界4大文明の1つ「インダス文明」の名でも知れている、パキスタンの代表的な川です。

この川は、北はチベットから南はパキスタンの最大都市・カラチまで、パキスタンを縦断するように流れるパキスタン最大の河川で、フンザ地方ではこの川が二つに分岐し、フンザ川という名の支流になっています。

カラコルムハイウェイを、首都イスラマバードからフンザへ向けてひた走ると誰もが目にするインダス川ですが、場所によって激しい濁流が人を飲み込まんばかりに荒れ狂う様子は、非常に迫力があります。

 

 

 






トゥモロティー

 

フンザのトゥモロティー

 

 

フンザ地方で愛飲されているハーブティーです。古今東西、高地を旅すると必ずと言ってよいほどお目にかかるローカルティーですが、このお茶もフンザの気候によく合っていて、飲めば体がスッーとするような効果があります。フンザは2000メートル程度の高地ですから、確証はありませんが、高山病予防の効果もあるのではと思います。茶葉には、リーフだけでなく長さのある茎なども含まれ結構ワイルドですよ。


 

 

 

 

 

 

フンザの冬

 

 

 

 

 

 

 

フンザの冬は、非常に寒く時に雪が降ります。

冬の間仕事のない男性の多くは山へ狩りに2・3週間程度出かけ、アイベックスやマルコポーロといった動物たちを狩ってきます。アイベックス達はこの期間、高地から少し下界へ降りてくるため、それを狙って狩るのです。パキスタンでは一般的に、銃を持つことは法律で禁じられているそうですが、ここフンザでは狩りに使う為、使用を許可されているそうです。

左の写真は、2016年狩りをした際の獲物、アイベックスです。この肉は非常に脂が多く、2・3切れ食べるだけでお腹が一杯になり、体が温まります。冬には欠かせないフンザ人の食料の1つです。また残った肉は乾燥させ、時間をかけ余すことなく食していきます。